2017年 01月 18日
ホワイトカラーの仕事の減らし方 その3 |
前回提示した、ブルーカラーの生産性を低くしていた要素を、
どの様に捉え、どの様に解決したのかを簡略的に表すと、次の様になる。
・前準備や後片付けなど、生産以外に時間を取られている要素。
生産に必要不可欠な前準備や後片付けの時間を、極力減らすために何が出来るのか?を切り口に、
前準備・後片付けは新人の仕事で、ベテランが始業前休憩を取っていた。
→分担して行い、生産時間を増やす。
取り付け調整に時間が掛かっていた。
→ユニット化して時間の短縮。(生産ライン外でユニットの準備を行う)
・生産中に、工具や部材を取りに行く事で、生産が中断する要素。
その生産で使わない物が手元にあり、真に必要な物を置く場所がない。
→5Sの実施
必要な工具、部材を把握していない。見落としがある。
→SOPの作成(チェックリスト、部材工具一覧表などレベルに応じて)
・工場が狭くレイアウトに制約がある、設備が古く生産性が低いなどの経営側の要素。
いずれ使う物で溢れかえっている。
→生産性向上での利益>保管による購入費用削減なら、処分。判断するのが経営者の仕事。
設備が古く生産性が低い。
→整備・改造だけでは時代遅れの設備では勝てない。判断するのが経営者の仕事。
・製品に決め込むための、設定値を把握していない要素。
・良かった時、悪かった時の記録がないので、経験が蓄積されない要素。
色々と調整できるので、関連性が複雑になり過ぎて把握できない。
一品物で、同じ設定で作る事はない。
今、良品が出来れば良い。それだけで後先を考えない。
生産の途中で随時調整が必要だから、経験を重ねるしかない。
→記録を取り、関連性を見極め、固定化できる部分、変動が必要な部分を整理していき、SOPに纏める。
・装置の動作が安定せず、出来上がりを予測できない要素。
気候など、外部要因との因果関係を把握していない。
装置の性能を維持する為のメンテナンスがされていない。
作業者の扱いが雑で、装置の動作が不安定になってしまう。
→記録を取り、関連性を見極め、固定化できる部分、変動が必要な部分を整理していき、SOPに纏める。
→SOPを基に、動作を教えるのではなく、動作と結果の因果関係を教える。
・作業の順番を教える事が、教える事だと誤解している要素。
・設定値と結果の因果関係を理解していないので、教える側が理解していない要素。
指導する側が、プロセス全体の中でその作業の意味を理解して指導できていない。
指導者としての適性を有していない。
→作成したSOPを基に、指導を行い、結果見えてきたSOPの問題を改定していく。この循環を回す事で作業の質が向上する。
・教える事で、職を失う危機感の要素。
それで、職を失った事例は沢山ある。
大手企業が製品の品質管理と称して、表玄関から技術を奪う事例も沢山ある。
→残念ながら一個人、一企業で世の中の変化に抗うのは不可能である。変化を受け入れるしかない。
この様な形でブルーカラーの生産性は向上していった。
因果関係を見え易くするために、乱暴な関連付けを行った部分もあるが、そこはご理解いただきたい。
上記の内容で分かる様に、作業と結果の関連性は部外者にも当事者にも分かりやすかった事が理解できると思う。
ここで言う部外者とは経営者を含む上司及び、スタッフ部門のホワイトカラーである。
作業と、生産数量・良品率の関係性は描きやすいので、トップダウンで改善命令を出しやすい。
スタッフ部門が、問題点を分析して改善策をまとめやすかった。
設定値と生産結果の関連性は、作業の改善ほど簡単にはいかなかった。
作業者自体が、設定値と結果の関連性を分かっていなかったからだ。
複数の調整項目ると、二か所以上で良品率が高くなる組み合わせが存在する事がある。これにより指導者によっては正反対の指導をする場合があった。
そう言う状況下で、スタッフ部門の分析が不十分で下した改善案が現場を混乱させたり、
作業者の自尊心を傷つけ、協力関係が築けなくなったりして進まなかったのである。
結果的には、お人好しや新人を巻き込んで徐々に成果を上げて行ったのであるが・・・・。
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どの様に捉え、どの様に解決したのかを簡略的に表すと、次の様になる。
・前準備や後片付けなど、生産以外に時間を取られている要素。
生産に必要不可欠な前準備や後片付けの時間を、極力減らすために何が出来るのか?を切り口に、
前準備・後片付けは新人の仕事で、ベテランが始業前休憩を取っていた。
→分担して行い、生産時間を増やす。
取り付け調整に時間が掛かっていた。
→ユニット化して時間の短縮。(生産ライン外でユニットの準備を行う)
・生産中に、工具や部材を取りに行く事で、生産が中断する要素。
その生産で使わない物が手元にあり、真に必要な物を置く場所がない。
→5Sの実施
必要な工具、部材を把握していない。見落としがある。
→SOPの作成(チェックリスト、部材工具一覧表などレベルに応じて)
・工場が狭くレイアウトに制約がある、設備が古く生産性が低いなどの経営側の要素。
いずれ使う物で溢れかえっている。
→生産性向上での利益>保管による購入費用削減なら、処分。判断するのが経営者の仕事。
設備が古く生産性が低い。
→整備・改造だけでは時代遅れの設備では勝てない。判断するのが経営者の仕事。
・製品に決め込むための、設定値を把握していない要素。
・良かった時、悪かった時の記録がないので、経験が蓄積されない要素。
色々と調整できるので、関連性が複雑になり過ぎて把握できない。
一品物で、同じ設定で作る事はない。
今、良品が出来れば良い。それだけで後先を考えない。
生産の途中で随時調整が必要だから、経験を重ねるしかない。
→記録を取り、関連性を見極め、固定化できる部分、変動が必要な部分を整理していき、SOPに纏める。
・装置の動作が安定せず、出来上がりを予測できない要素。
気候など、外部要因との因果関係を把握していない。
装置の性能を維持する為のメンテナンスがされていない。
作業者の扱いが雑で、装置の動作が不安定になってしまう。
→記録を取り、関連性を見極め、固定化できる部分、変動が必要な部分を整理していき、SOPに纏める。
→SOPを基に、動作を教えるのではなく、動作と結果の因果関係を教える。
・作業の順番を教える事が、教える事だと誤解している要素。
・設定値と結果の因果関係を理解していないので、教える側が理解していない要素。
指導する側が、プロセス全体の中でその作業の意味を理解して指導できていない。
指導者としての適性を有していない。
→作成したSOPを基に、指導を行い、結果見えてきたSOPの問題を改定していく。この循環を回す事で作業の質が向上する。
・教える事で、職を失う危機感の要素。
それで、職を失った事例は沢山ある。
大手企業が製品の品質管理と称して、表玄関から技術を奪う事例も沢山ある。
→残念ながら一個人、一企業で世の中の変化に抗うのは不可能である。変化を受け入れるしかない。
この様な形でブルーカラーの生産性は向上していった。
因果関係を見え易くするために、乱暴な関連付けを行った部分もあるが、そこはご理解いただきたい。
上記の内容で分かる様に、作業と結果の関連性は部外者にも当事者にも分かりやすかった事が理解できると思う。
ここで言う部外者とは経営者を含む上司及び、スタッフ部門のホワイトカラーである。
作業と、生産数量・良品率の関係性は描きやすいので、トップダウンで改善命令を出しやすい。
スタッフ部門が、問題点を分析して改善策をまとめやすかった。
設定値と生産結果の関連性は、作業の改善ほど簡単にはいかなかった。
作業者自体が、設定値と結果の関連性を分かっていなかったからだ。
複数の調整項目ると、二か所以上で良品率が高くなる組み合わせが存在する事がある。これにより指導者によっては正反対の指導をする場合があった。
そう言う状況下で、スタッフ部門の分析が不十分で下した改善案が現場を混乱させたり、
作業者の自尊心を傷つけ、協力関係が築けなくなったりして進まなかったのである。
結果的には、お人好しや新人を巻き込んで徐々に成果を上げて行ったのであるが・・・・。
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by skrying
| 2017-01-18 09:26
| 企業の工夫